Dr.Webアンチウイルスの検出統計によると、2023年11月に検出された脅威の合計数は10月と比較して18.09%減少し、ユニークな脅威の数も13.79%減少しました。最も多く検出された脅威は望ましくないアドウェアプログラムやアドウェア型トロイの木馬、別の脅威と一緒に拡散されてそれらの検出を困難にする悪意のあるアプリとなっています。メールトラフィック内では、フィッシング攻撃に使用されるドキュメント、悪意のあるスクリプト、Microsoft Officeドキュメントの脆弱性を悪用するソフトウェア、標的となるコンピューター上に別のマルウェアをダウンロードするさまざまなダウンローダが最も多く検出されました。
11月にDoctor Webテクニカルサポートサービスに寄せられた、ランサムウェアによって暗号化されたファイルの復号化リクエスト数は前月と比較して6.98%増加しています。最も多く拡散された暗号化ランサムウェアは Trojan.Encoder.3953 で、インシデント全体の21.70%を占めていました。 Trojan.Encoder.26996 (21.20%)は2位に後退し、Trojan.Encoder.35534(8.94%)が再び3位となっています。
Google Playでは新たな悪意のあるアプリが発見され、それらの中には詐欺スキームに用いられる20を超える偽アプリや、Androidユーザーを有料サービスに登録するトロイの木馬が含まれていました。
11月の主な傾向
- 検出された脅威の合計数が減少
- フィッシング攻撃に使用されるドキュメントが、メールトラフィックで最も多く検出された脅威となる
- ランサムウェアに暗号化されたファイルの復号化リクエスト数が増加
- Google Playに新たな悪意のあるアプリが出現
危険なWebサイト
2023年11月にはサイバー詐欺師の活動に目立った変化は見られず、引き続きあらゆる種類の偽サイトにユーザーをおびき寄せようとする手口が横行しています。なかでも、投資詐欺のサイトや、「無料の」宝くじを入手したり賞金の「抽選」に参加したりできるとうたうサイトが依然として多く使われています。
前者のケースでは、ユーザーは投資家になるよう勧められ、そのために個人情報を提供するよう求められます。後者のケースでは、無料の宝くじ抽選やオンラインコンテストに参加したユーザーは必ず当選するようになっており、賞金を受け取るために手数料を支払うよう指示されます。
以下の画像はユーザーに投資家になるよう勧めるフィッシングサイトの例です。
次の画像は宝くじの抽選をシミュレートする詐欺サイトの例です。
ユーザーは314,906ルーブルを獲得したというメッセージが表示され、次の手順に進んで賞金を受け取ることができるとされています。