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スパムを配信するTrojan.Proxy.23012

2012年10月12日掲載

株式会社Doctor Web Pacific


Doctor Webは、犯罪者による大量スパム配信に使用されている悪意のあるプログラムTrojan.Proxy.23012についてユーザーの皆様に警告します。このトロイの木馬は、他のマルウェアとは異なる際立った特徴を持っています。

Trojan.Proxy.23012は、Trojan.PWS.Panda.2395などの他の悪意のあるプログラムによって、感染したコンピューター上にダウンロードされます。また、その実行ファイルはZeusやZbotとしても知られるTrojan.PWS.Pandaプログラムで使用されるものと同じパッカーによって圧縮されているため、しばしば後者のシグネチャで検出されます。

システム内に侵入すると、Trojan.Proxy.23012は解凍されてメモリ内にロードされ、その後インストールが開始されます。インストール先フォルダはOSのバージョン及びインストーラーが実行されたアカウントの権限によって異なります。いずれの場合においても、インストーラーは、Windows起動時に自動的にトロイの木馬が実行されるようWindows Registryを変更します。このトロイの木馬はUACの無効化を試み、さらにインストールプロセスの仕上げとしてexplorer.exe内に自身のコードを挿入します。

Trojan.Proxy.23012に感染したコンピューターによって構成されるボットネットは、コマンドに応じてスパムを配信するようプロキシサーバーをコントロールする目的で、犯罪者達によって利用されています。下のスクリーンショットは、そのようなスパムメッセージの1例です。

screen

リモートコマンドセンターとの接続が確立されると、Trojan.Proxy.23012は犯罪者のコマンドに応じてトンネルを作成し、ウイルス製作者達がSOCKS5、SOCKS4、HTTP(GET、POST、CONNECTルーチンを含む)を使用出来るようにします。犯罪者達はスパムの配信にgmail.com、hotmail.com、yahoo.com のSMTP サービスを利用しています。

このマルウェアの目立った特徴は、ボットとボットネットコントロールサーバーとの連携方法にあり、後者は特定のメール配信を実行するホストをリアルタイムで選択します。さらに、外部IPアドレス無しにコンピューター上にインストールされたボットは、プロキシサーバーとしても動作することが可能です。また、コントロールサーバーアドレスを1つしか使用せず、それがブロックされた場合はTrojan.PWS.Panda.2395ピアネットワーク経由で自身をアップデートすることが出来るという特異な機能を持っています。

Dr.Webウイルスデータベースには当該脅威のシグネチャが既に加えられているため、Doctor Web製品をお使いのユーザーにとってTrojan.Proxy.23012は重大な脅威ではありません。

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